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法人設立届出書の記入法

会社を設立したら、税務署や都道府県、市区町村などに多くの書類を提出しなければなりません。
たくさんの種類の届出書がありますので、初めてのこととなると、頭が混乱することもあるかと思います。
「どこに何を提出しなければいけないの?」
「どうやって記入したらいいの?」
「提出し忘れている届出はない?」と不安に思われる方向けに、「会社設立後に提出する必要のある書類」を複数回にわけて紹介していきます。
まずこの記事では、会社設立後、1番はじめに提出することになる「法人設立届出書」の書き方を解説します。
会社を設立してまもなくは、本業でもやらなければいけないことがたくさんあり、お忙しいですよね。
「うっかり提出するのを忘れていた!」なんていうことがないように、ぜひこの記事を読みながら、法人設立届出書を記入していきましょう。

法人設立届出書とは

会社を経営するのであれば、必ず税金を納めなくてはいけません。
税金を納めるためには、まず会社を設立したことを税務署に知らせる必要があります。
その役割を担うのが、「法人設立届出書」と呼ばれるものです。
法人設立届出書を提出する際の留意点を4つまとめました。

  • 法人設立届出書を提出する義務のある法人とは
  • 法人設立届出書の提出先とは
  • 法人設立届出書の提出期限とは
  • 法人設立届出書の様式とは

法人設立届出書を提出する義務のある法人とは

株式会社や合同会社、一般社団法人など、どのような会社の形態であっても提出する義務があります。
ただし、営利目的ではない一般財団法人・一般社団法人は提出する必要はありません。

法人設立届出書の提出先とは

法人設立届出書とは、一般的には税務署に提出するもののことをいいます。
とはいえ、会社設立後に納める税金は、国に納める国税だけでなく、自治体に納める地方税もありますので、自治体にも会社を設立した旨を報告しなければなりません。
基本的には、下記の3箇所に提出します。

  • 税務署
    設立した法人の所轄の税務署が分からない場合は、国税庁のホームページで調べることができます。
    https://www.nta.go.jp/about/organization/access/map.htm
  • 都道府県税事務所
    設立した法人のある都道府県に提出します。
  • 市区町村役場
    設立した法人のある市区町村に提出します。
    ただし、東京都23区内の法人は、東京都に提出するだけでよく、区役所に届け出る必要はありませんので、2箇所のみの提出となります。

法人設立届出書の提出期限とは

提出先によって、提出期限が異なりますので注意が必要です。
ちなみに、提出期限を遅れて提出しても罰則はありません。
提出し忘れていることに気が付いた段階で、はやめに提出しましょう。

  • 税務署の場合
    設立してから2ヵ月以内です。
  • 都道府県税事務所の場合
    都道府県ごとに独自に決められていますので、自治体のホームページで確認しましょう。
    「都道府県名 法人設立届出書」で検索すると、すぐにでてきます。
    ちなみに東京都は設立してから15日以内です。
    東京都のように税務署への提出期限より早い自治体もあるので、注意が必要です。
  • 市区町村役場の場合
    都道府県ごとに独自に決められていますので、自治体のホームページで確認しましょう。
    「市区町村役場名 法人設立届出書」で検索してみてください。

法人設立届出書の様式とは

法人設立届出書の記入方法

法人設立届出書の具体的な書き方、記入方法を解説していきます。
ここでは税務署に提出する法人設立届出書の書き方をご紹介します。
都道府県税事務所、市区町村役場に提出するものは、ほとんど税務署に提出するものと変わりませんので、税務署提出用の法人設立届出書を参考に記入すれば問題ありません。
お手許に定款と登記事項証明書をご用意のうえ、ご紹介する記入例を参照しながら、法人設立届出書を記入していきましょう。

①提出年月日

法人設立届出書を税務署に提出する年月日を和暦で記入します。

②税務署名

設立した会社の本店所在地の所轄の税務署を記入します。

③※整理番号

記載不要なので、空欄のままで問題ありません。

④本店又は主たる事務所の所在地

設立した会社の本店所在地の住所を記入します。
登記事項証明書に記載された通りの住所を記入してください。
電話番号は、固定電話がない場合には携帯電話の番号で構いません。

⑤納税地

基本的には本店所在地と同じなので、同上とご記入ください。

⑥法人名

法人名を正式名称で記入します。
登記事項証明書に記載された通りの法人名を記入してください。
フリガナも忘れずに記入します。

⑦法人番号

13桁の法人番号を記入します。
法人番号が分からない方は、国税庁の法人番号検索サイトで検索できます。
https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/

⑧代表者氏名

会社の代表者の氏名を記入します。
登記事項証明書に記載された通りの代表者氏名を記入してください。
フリガナも忘れずに記入します。
令和3年4月1日より代表社印の押印が不要になり、押印欄が廃止されましたので、押印する必要はありません。

⑨代表者住所

会社の代表者の住所を記入します。
登記事項証明書に記載された通りの代表者住所を記入してください。
電話番号は、固定電話がない場合には携帯電話の番号で構いません。

⑩設立年月日

登記事項証明書に記載された「法人設立の年月日」を記入します。

⑪事業年度

定款に記載されている会計年度を記入します。

⑫設立時の資本金又は出資金の額

登記事項証明書に記載された「資本金の額」を記入します。

⑬消費税の新設法人に該当することとなった事業年度開始の日

設立時の資本金の額が1,000万円以上の場合のみ、設立年月日を記入します。
事業をまだ開始していない場合には、事業を開始する予定日を記入します。

⑭事業の目的

(定款等に記載しているもの)
定款に記載されている事業の目的を記入します。
定款のコピーを提出するため、記載されているものを全部記入する必要はありません。
(現に営んでいる又は将来営む予定のもの)
定款に記載されている事業目的の中で、現に営んでいる又は将来営む予定のものを記入します。
基本的には「同上」で問題ありません。

⑮支店・出張所・工場等

本店以外に、支店や出張所、工場などがある場合のみ記入してください。
ない場合には空欄で問題ありません。

⑯設立の形態

あてはまるものの番号に丸をします。
個人事業主の方が法人成りした場合には、「1」に丸をしてください。
個人事業主のときの、所轄の税務署と整理番号も記入します。
新規に事業を始める場合には、「5」に丸をしてください。
()の部分には「新たに事業を開始」などと記入します。

⑰設立の形態が2~4である場合の適格区分

個人事業主の方が法人成りをした場合と新規に事業を始めた場合は、空欄で構いません。
⑯の設立の形態で、2~4を選んだ方は、「適格」・「その他」のどちらかに丸をします。
合併、分割又は現物出資が、法人税法第2条第12号の8(適格合併)、同条第12号の11(適格分割)又は同条第12号の14(適格現物出資)に該当する場合には「適格」、該当しない場合は「その他」に丸をつけてください。

⑱事業開始(見込み)年月日

事業開始日を記入します。
基本的には設立年月日を記入しますが、事業を開始していない場合には、事業を開始する予定の日を記入してください。

⑲「給与支払事務所等の開設届出書」提出の有無

ご自身の給料を含め、給料の支払いをする予定のある場合は、「給与支払事務所等の開設届出書」をあわせて提出する必要があります。
「給与支払事務所等の開設届出書」の書き方は別の記事で紹介しますので、読んでみてください。
当面の間、給料を支払う予定がない場合は、「無」に丸をしてください。

⑳添付書類

法人設立届出書は添付書類として、「定款、寄附行為、規則、規約その他これらに準ずるもの(定款等)の写し」を提出しますので、「1」に丸をします。
ただし、都道府県税事務所と市区町村役場に提出する法人設立届出書には、定款等の写しのほかに、登記事項全証明書も添付する必要があるので、ご注意ください。

㉑関与税理士

顧問税理士が決まっている場合は、税理士の氏名、税理士事務所の所在地と電話番号を記入します。
顧問税理士がいない場合には、空欄のままで問題ありません。

㉒税理士署名

顧問税理士に法人設立届出書を作成してもらった場合には、税理士に自筆の署名をしてもらいます。
顧問税理士がいない場合には、空欄のままで問題ありません。

㉓税務署処理欄

税務署が使用する欄なので、空欄のままで提出します。

まとめ

法人を設立したときに1番はじめに提出する「法人設立届出書」の書き方記入方法を解説しました。
はじめてのことは誰でも戸惑ってしまうものです。
ぜひこの記事を参考にして、提出期限内に法人設立届出書をご提出くださいね。
法人設立届出書のほかに、設立時に提出する必要のある書類の書き方については、複数回にわけて解説していきますので、そちらも参考にしてください。
税理士と顧問契約を結ぶと、設立時に提出する書類を代わりに作成してくれますよ。
当サイトでは、税理士を検索することができますので、「税理士を探す」よりぜひ探してみてください。