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健康保険・厚生年金保険 新規適用届の記入方法

会社を設立したら、社長ご自身を含め、給料を従業員に支払う予定であれば、社会保険に関するさまざまな手続きをする必要があります。
税務署に提出する税務関係の届出だけでなく、社会保険に関する届出を提出することも忘れてはいけません。
この記事では、社会保険関係の手続きの中でまず一番はじめに提出する「健康保険・厚生年金保険新規適用届」の記入方法を解説します。
「健康保険・厚生年金保険新規適用届の書き方が分からない」という方は、ぜひこの記事を読みながら、「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を記入していきましょう。

「健康保険・厚生年金保険新規適用届」について

会社に属する人が社会保険に加入するためには、まず会社が「自社は社会保険の適用される会社です」ということを知らせる「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を日本年金機構へ提出します。
社長ご自身や雇用した従業員が社会保険に加入する場合には「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を提出したうえで、別の届出である「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を提出する必要がありますので、ご注意ください。
「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」についての解説は、こちらの記事では省略します。
「健康保険・厚生年金保険新規適用届」の具体的な記入方法を解説する前に、提出する際の4つの重要な事項をまとめました。

  • 「健康保険・厚生年金保険新規適用届」の提出先とは
  • 「健康保険・厚生年金保険新規適用届」の提出期限とは
  • 「健康保険・厚生年金保険新規適用届」の様式とは
  • 「健康保険・厚生年金保険新規適用届」の添付書類とは

「健康保険・厚生年金保険新規適用届」の提出先とは

管轄の年金事務センターまたは年金事務所です。
管轄の年金事務センターと年金事務所は、日本年金機構のホームページで確認することができます。

「健康保険・厚生年金保険新規適用届」の提出期限とは

会社を設立して、社会保険の適用事業所になった日から5日以内に提出する必要があります。
期限が短いので、注意が必要です。

「健康保険・厚生年金保険新規適用届」の様式とは

日本年金機構のホームページよりダウンロードができます。
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/todokesho/jigyosho/20141205.html

「健康保険・厚生年金保険新規適用届」の添付書類とは

90日以内に発行された下記の書類の原本を添付します。

法人の場合

法人登記簿謄本(登記事項証明書)

個人事業主の場合

事業主の世帯全員が記載された住民票

「健康保険・厚生年金保険新規適用届」の記入方法

それでは実際に、「健康保険・厚生年金保険新規適用届」の具体的な記入方法を解説します。
お手許に「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を用意して、記入していきましょう。

事業主記入欄

事業所の名前を記入します。
フリガナは以下のように会社の種類を略して記入してください。

  • 株式会社の場合→「カ」
  • 有限会社の場合→「ユ」
  • 合名会社の場合→「メ」
  • 合資会社の場合→「シ」
  • それ以外の法人の場合→そのまま記入

①事業主(又は代表者)の氏名

事業主又は会社の代表者の名前を記入します。
フリガナも忘れずに記入してください。

②問合せ先担当者名

事業所の電話番号を記入します。
市外局番と市内局番、市内局番と加入者番号の間にハイフン(-)を記入してください。
固定電話がない場合は、携帯電話の番号で問題ありません。
次の内線欄は、内線がない場合には、空欄で構いません。
事務担当者名は、事業所の社会保険の事務を担当する方がいれば、その方の名前を記入します。
事業主本人の名前でも問題ありません。

③事業主(又は代表者)の住所

事業主又は会社の代表者の自宅の住所を記入してください。
自宅の住所を事業所として登記している場合は、事業所所在地と同じ住所で問題ありません。

④⑤事業主代理人

事業主代理人とは、事業主に代わって、事業主が行う保険手続きをする事務責任者のことをいいます。
従業員を雇っている会社では、社会保険の手続きをする事務担当者を設ける場合がありますが、多くの場合は担当者を事業主代理人にすることはありません。
何らかの問題が発生した場合には、事業主が責任をもって、担当者とともに対応することになります。
しかし、規模の大きい会社では事業主が対応することが難しい場合があるため、事業主代理人を選任することがあります。
事業主代理人を選任する場合には、「有」に丸をしてください。
事業主または会社代表者の名前で社会保険の手続きをする場合は「無」に丸を付けて下さい。

⑥業態区分(事業の種類)

事業所業態分類票を参照して、該当の事業の種類を記入します。
事業所業態分類票は、日本年金機構のホームページより確認できます。
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/todokesho/jigyosho/20141205.files/9114-1bunrui.pdf

⑦適用年月日

無記入でOK

⑧個人・法人等区分

法人の場合は「1」、個人事業主の場合は「2」に丸をしてください。

⑨法人番号

法人の場合は記入します。
法人番号・会社法人等番号の双方を有する場合には、法人番号に丸をしてください。
番号欄には13桁の法人番号を記入します。
法人番号が分からない場合には、国税庁の法人番号検索サイトで確認できます。
https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/

⑩本店・支店区分

届出をする事業所が本社である場合は「1:本店」を、本社以外の事業所の届出である場合は「2:支店」に丸をしてください。

⑪内・外国区分

日本国内に本社や主たる事業所がある場合には、「1:内国法人」に丸をしてください。

⑫社会保険労務士

社会保険労務士に届出の提出を委託している場合に記入します。
事業主が届出を提出する場合には空欄で問題ありません。

⑬健康保険組合名

会社で健康保険組合を設立している場合は、組合名を記入してください。
中小企業の多くの会社は自社で組合を設立することはなく、協会けんぽに加入しますので、空欄のままで問題ありません。

⑭厚生年金基金番号

厚生年金基金に加入している場合には、厚生年金基金番号と基金名を記入してください。
加入していない場合には、空欄のままで問題ありません。

⑮給与計算の締切日

給与の締切日を記入してください。
毎月20日締めの25日払いである場合には、20日と記入します。

⑯昇給月

昇給する月が決まっていれば、記入します。
決まっていない場合には空欄で問題ありません。

⑰算定基礎届媒体作成

毎年7月に提出する算定基礎届について、日本年金機構であらかじめ被保険者氏名等を収録した電子媒体での 送付を希望する場合は 「2.必要(電子媒体)」 の数字を○で囲んでください。 紙媒体での送付を希望される場合は 「0.必要(紙媒体)」 の数字を○で囲んでください。

⑱給与支払日

給与の支給日を記入します。
当月払いか翌月払いかにも丸をつけてください。

⑲賞与支払予定月

賞与を支払う月が決まっている場合に記入します。
決まっていない場合には空欄で問題ありません。

⑳賞与支払届媒体作成

「⑲賞与支払予定月」 に記入した月の前月に、日本年金機構であらかじめ被保険者氏名等を収録した電子媒体での 送付を希望する場合は 「2.必要(電子媒体)」 の数字を○で囲んでください。 紙媒体での送付を希望される場合は 「0.必要(紙媒体)」 の数字を○で囲んでください。

㉑給与形態

あてはまる給与形態に丸をつけてください。
社員、パートなど雇用形態によって給与形態が変わる場合には、あてはまる全ての給与形態に丸をします。

㉒諸手当の種類

給与として支払われる諸手当にあてはまるものに丸をつけてください。
手当がどれにもあてはまらない場合は、その他に手当の名称を記載します。
基本給のみで手当を支給しない場合には、空欄で問題ありません。

㉓現物給与の種類

通貨以外のもので支給する給与(食事・住宅・被服・定期券等)がある場合は、該当する項目の数字を○で囲んでください。

㉔従業員情報

1.従業員数

事業主自身も含め、事業所全体の従業員数を記入します。

2.社会保険に加入する従業員数

「1」の従業員数のうち、社会保険に加入する従業員数を記入します。

3.社会保険に加入しない従業員について

社会保険に加入しない従業員を役員、嘱託・非常勤、パート、アルバイトにわけて、人数と勤務形態を記入してください。
社会保険に加入する義務のない従業員については要件が定められていますが、この記事では解説を省略します。

㋐〜㋓

社会保険に加入しない従業員の従業員情報を記入します。

㉕所定労働日数・所定労働時間

事務所で定めている所定労働時間を記入します。

㉖備考

何かしら特記事項がある場合には記入します。
ない場合は空欄で問題ありません。

まとめ

会社が社会保険に加入するときに提出する「健康保険・厚生年金保険新規適用届」の記入方法を紹介しました。
提出期限が5日以内と大変短いので、本業に専念していると、うっかり忘れてしまいそうになりますが、忘れずにご提出くださいね。
社会保険関係の届出の申請は社会保険労務士の業務になりますが、当サイトでは社会保険労務士が在籍している税理士事務所を検索することができます。
ぜひ「税理士を探す」よりあなたにぴったりな税理士を探してみてください。