顧問税理士が業務停止、廃業!?対処法を解説
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『税務作業を依頼していた顧問税理士が、懲戒処分を受けて業務停止になったが、どうすればいい?』
経営者にとって顧問税理士は、会社のお金や税務をまかせている大切なパートナーです。
しかし、その税理士が税理士法違反などを理由に業務停止、禁止や登録取消といった処分を受けてしまうと、税理士業務ができなくなります。
本コラムでは、顧問税理士が懲戒処分を受けた場合にどのような問題が起こるのか、そして経営者としてどのように対応すべきかを解説します。
目次
税理士における懲戒処分の種類とは?
税理士は税理士法に基づいて業務を行いますが、法令違反などはあった場合には、国税庁長官などの権限により懲戒処分を受けることがあります。とはいえ、処分といっても軽いものもあれば、登録抹消というとても重い処分もあります。
以下に懲戒処分の種類をまとめました。
戒告処分
最も軽い処分であり、あくまで『注意・警告』を受けただけになります。
税理士本人の社会的信用が傷付いてはしまいますが経営者側の税理士としての業務も引き続き依頼できるため、影響は軽微なものです。
業務停止処分(2年以内)
税理士証票を没収され税理士としての業務ができなくなります。
期間に関しては不正の内容などによって異なります。
停止期間が終了したら、税理士として業務が可能になりますが、顧問契約は解除になりますので経営者側は新たに税理士を探す必要があります。
税理士業務の禁止
最も重い処分で、実質、税理士資格の剥奪です。
処分を受けた日から3年が経過するまで再び税理士試験を受けることもできません。
この場合も業務停止処分同様に、顧問契約は解除になりますので経営者側は新たに税理士を探す必要があります。
上記以外にも懲戒処分されると官報に掲載されるため税理士にとっては信用の失墜につながります。
それでは、顧問税理士が懲戒処分で顧問契約解除になった場合にどうすればいいかを解説していきます。
税理士、税理士法人に対する懲戒処分件数
直近3年分の税理士、税理士法人に対する懲戒処分件数は以下になります。
令和4年度(2022) | 13件(停止:9件、禁止:4件) |
令和5年度(2023) | 38件(停止:33件、禁止:5件) |
令和6年度(2024) | 64件(停止:52件、禁止:10件、戒告2件) |
ここ数年で懲戒処分が毎年、倍増していることがわかります。
また、一番軽い戒告処分は3年間でも2件だけに留まっており、それを除く多くは停止、禁止という重い処分となっています。
「1年間で64件」と聞くと少なく感じる人もいるかもしれませんが、日本税理士会連合会による『第6回税理士実態調査』(平成26年)では、税理士が抱えている顧客の件数は法人の場合、平均で35.1社となっています。一人の税理士でも多くの企業の税務を抱えていることが伺えます。
2024年度の停止、禁止を合算すると62件に上ります。
単純に税理士が抱えている顧客の件数の平均を当てはめると、なんと2,170件もの会社が顧問税理士の懲戒処分に該当した可能性があります。
とはいえ、税理士事務所も複数人の税理士が携わっている場合もありますのでこの場合は同じ事務所内の税理士が引き継ぎなどをする場合もあるため、経営者側に対する影響は軽微な場合もあります。
顧問税理士が業務停止になった場合の対処法とは?
顧問税理士が懲戒処分を受け、顧問契約を解除せざるを得なくなった場合、経営者側としてどのような対応が必要になるかをまとめました。
『申告期限や納付期限が迫っているものがないかを確認』
まずは、申告期限や納付期限が迫っているものがないかを確認しましょう。
期限が近いものがあれば早急に税理士を探す必要があります。
申告期限、納付期限が間に合わない場合はどうすればいい?
法人税の申告期限は、原則として決算日から2ヶ月以内ですが、このタイミングで顧問契約が解除となった場合、申告、納付までに間に合わない場合も出てきます。
『申告期限の延長の特例の申請書』を提出することで1ヶ月延長することができます。
申告が遅れてしまった場合のペナルティ
期限内に申告を行わなかった場合はペナルティとして無申告加算税が加算されます。
納付額のうち50万円以下の部分に関する加算税 | 納付税額×15% |
納付額のうち50万円以を超える部分に関する加算税 | 納付税額×20% |
税金の納付が遅れてしまった場合のペナルティ
期限内に納税を行わなかった場合はペナルティとして延滞税が加算されます。
納期限翌日~2か月以内の場合 | 納付税額 × 延滞税率(年7.3%または「特例基準割合+1%」の低い方)× 日数 ÷ 365 |
2か月経過後 | 納付税額 × 延滞税率(年14.6%または「特例基準割合+7.3%」の低い方)× 日数 ÷ 365 納付が遅れれば遅れるほど税率が上がりますので注意が必要です。 |
新しい顧問税理士を探す
税理士会や税理士紹介サービスなどを利用して信頼できる税理士を探す必要があります。
書類やデータの引き継ぎ
旧税理士から会計データや申告書などをもらって新しい税理士へと引き継ぎします。
旧税理士と連絡が取れない場合や引き継ぎに対応してくれない場合は新しい税理士に協力してもらって経営者側が持っているデータと照らし合わせながら不足資料を補う必要があります。
今後に備えて顧問税理士とのデータの共有体制と社内の税務体制強化を行う
顧問税理士に丸投げし、管理してもらうのではなく、基本的な税務や会計の知識を経営陣・担当者が把握することで、不足の自体にも対応できます。
社内の税務体制強化しておくのも重要なことです。
まとめ
大切なのは、直近で申告や納付がないかを確認しつつも、迅速に新しい顧問税理士を探し、スムーズに業務を引き継ぐことです。
そのうえで、今後は信頼できる税理士と長期的に安心して付き合える体制を整えることが経営の安定につながります。